癒しサウンドのニューカマー『タンドラム』、息抜きに少し遊んでいたら、これは絶対「ヨナ抜き音階」だとふと。
先日突発的にセッションをしてみたくなりました。
準備
1. 『タンドラム』は分かりやすく番号があるので、単純に④と⑦に付箋を貼って、触らない目印に。
2. 『タンドラム』がF調だったので、『インド音楽練習用』のスマホアプリで、F調ドローン音(ずっとなっている音)を作成。
どちらでも良いが、今回はリズムを入れてみようと、『タブラ』もF調にチューニング。
3. 各パートをDTMソフト(ガレージバンド等でOK)へそれぞれサンプリング。
4. 小さなハープの(F・B弦)を(E・A)に下げて「ヨナ抜き音階」チューニング。
「ヨナ抜き音階」チューニングは、どの音を鳴らしても心地よく不思議に調和してくれるので、音楽療法の現場でよく使っていました。
ちょうどそこにいた
『タンドラム』初めて、ハープも初心者\娘/と、
音遊びに挑戦。
予想通り『タンドラム』の空間的な不思議サウンドにぴったり。
前から思ってはいたものの、実際遊びはじめるとハープもなかなか、こういった使い方も面白い。
チューニングを合わせた同じ音が2本隣合うことで、共鳴音もなんだか倍増、色々な発見。
これは今後、もっともっと遊んでいきたいと思いました。
そんな日本の伝統音楽でもよく使われている「ヨナ抜き音階」、その音階の『魅力』を良い機会なので改めてまとめてみました。
ヨナ抜き音階とは?
ヨナ抜き音階は、ド・レ・ミ・ソ・ラという5つの音から成り立つペンタトニックスケールの一つです。
日本の伝統音楽をはじめ、アイルランド、ロシア、中国等、世界中の民族音楽にも共通して使われるこの音階の名前の由来は、
という事から、名付けられています。
例えば 「上を向いて歩こう」や「アメイジング・グレイス」などの有名な曲も、この音階をベースにしています。
音の調和とピタゴラス音階
この音階には、音の調和についての秘密があります。
普段私たちが聞き慣れている「ドレミファソラシド」、半音を足すと12音で構成される音階。
これを発明したのは、「ピタゴラスの定理」で有名な古代ギリシャの哲学者 \ピタゴラス/なのです。
古代ギリシャの哲学者ピタゴラスは、弦楽器の長弦を『2:1』や『3:2』などの簡単な整数比で調整することで、調和する音を「モノコード」という楽器を使って実験し、美しい音の関係を見つけました。
ヨナ抜き音階の構造とハーモニー
ヨナ抜き音階は、このピタゴラス音階の協和音である『完全5度※周波数比3:2』の和音、『ドとソ、ソとレ、レとラ、ラとミ』この4つの和音を作る音たちで作られています。
補足となりますが、音楽で使われる音の周波数(音の高さ)は、数学的な関係に基づいています。
2つの音が同時に鳴ったとき、その周波数の比が単純な整数比だと、音が調和して聞こえます。
完全五度の周波数の比は3:2です。
その結果、この『完全5度』の音程は、
となっています。
これは、ヨナ抜き音階がとても響きが良く、安定した音楽を作る理由の1つと考えられます。
不協和音がない
そして、ヨナ抜き音階のもう一つの特徴は、
ことです。
そのため、音を組み合わせても不協和音(注意不快な音の組み合わせ)がほとんどありません。
これが、音楽療法のシーンや初心者のアンサンブルに向いている理由と考えられます。
音楽に不慣れな初心者の方や音楽療法での活用
この点から、ヨナ抜き音階は調和しやすく、音楽に不慣れな初心者の方でも簡単に自由な演奏に取り組めることが魅力です。
音楽療法のセッション等では、参加者が自由に音を鳴らす場合がありますが、ヨナ抜き音階なら
グループセッションで皆が異なる楽器を持っている場合でも、ヨナ抜き音階に基づいた演奏なら、不思議と調和の取れた音楽を作り出せます。
これにより、参加者は達成感を感じやすく、リラックスした状態で自由に音楽を楽しむことができるのです。
まとめ
そのシンプルで調和の取れた音の構造から、『ヨナ抜き音階』は、初心者でも安心して『音遊びができる』音階となっています。
気軽に、心地よい響きを共有することができる『音の集まり』。
改めて、音楽の魅力に触れる機会への導入に、誰もが気軽に音楽を楽しめるきっかけ作りにもっともっと活用していけたらと思うばかり。
そして、何より『音』は空気の振動、周波数であり、『波』。
心地良い、聴いていて気持ちのいい音というのは、時代や人種を超えて、結果的に世界中で同じ(この音階)にたどり着き多用されている、
まだまだ知りたいばかりの音の世界です。